富士登山的記録。
ばかみたいに長くなったので、続きから飛ぶようにしますた(´ω`;)
わはは。
8月23日
仕事が終わってから、そのままリュックを背負って原付でバス停へ急ぐ。
コンビニで夕飯を買って、乗り場で食べたら、徳島→大阪まで移動。約2時間半。
大阪駅から、東梅田まで徒歩。フジヤマライナーに乗り込む。
富士宮コースのふもと、富士宮駅まで直行。約9時間。
3列でリクライニングだけど、かなり窮屈な車内。
途中一度だけSAで休憩、後はひたすら眠るのみ。あまり眠れない。ウトウトしながら過ごす。
8月24日
朝7時半ごろ、富士宮駅着。
富士宮口(五合目)まで、始発の登山バスに乗る。約50分。
富士山が
窓から見えて、テンションが上がってくる。
しかし、
山道をのぼってゆくと、途中から、路駐の車がずらっと並びはじめる。
駐車場がいっぱいで、置ききれなかった登山客のもの。なるべく歩かなくてすむように、頂上から順にびっしりと置かれてるんだろうけど、かなりの台数だった。
これがバスが対向車とすれ違う時、ものすごく邪魔で、危ないわ、なかなか上まで登れないわで乗客もイライラ。これは迷惑だなーと思ったので、どうしてもって人以外はマイカーで行かないほうがいいんじゃないかな、と思った。
9時半ごろ、五合目着。
まず、登山に不要な荷物を預けに行って、トイレで着替えて装備を整えて、登山開始したのが10時頃。
前回宝永山まで登ったのと同じ、富士宮コースの5合目から出発。
前は9月に入っていた頃だったと思うので、5合目についた時点で
かなり肌寒さを感じたけど、
この日は気温も高く、天気も良かったので、長袖は必要ないくらいだった。
雲がちょうど目の前くらいの高さ。
ときどき風で流れてきて、視界を真っ白にしたりする。
このあたりはまだ背の低い高山植物が生えている。木のような背の高いものはない。
そのせいか、ミツバチがたくさん居る。
そして、花の色に似ているのだろうか、おらのカバンにやたらと寄ってきて、ちょっと怖いw
空気が澄んでるからか、あらゆる色がすごくキレイに見えた。
軽石のまざった土の坂道を順調に登ってゆくと、わりと近くに、最初の山小屋が見えてくる。
6合目。雲海荘。
素朴でなつかしいかんじ。
この時点で背中にじわっと汗をかいて、喉が渇いていたので
ベンチで休憩しながら、山小屋観察。
500ミリのペットボトルを2本用意して行ったけど、ぜんぜん足りない気がしたので、ここで買い足した。
6合目では自販機で1本300円で買えた。(上で買うほど値段も上がる。)
金剛杖という、木の杖が売っている。
ここで買って行って、各山小屋で焼印をして、登山の記念にする人が多い。
実際に持ってる人もたくさんいたけど、おらはストックを持参して行ったので、買わなかった。
一休みして次の小屋を目指す。
富士宮コースの7合目には二つ山小屋がある。手前にあるのが、新7合目。
比較的新しい。
とりあえず、いい区切りになるので、山小屋ごとに休憩を入れる。
入口のところに山荘のはっぴを着て立っているお兄さんが、暇そうにしてたので、話しかけてみた。
と、いうのも、なんだか下界のほうから、時折、
どおおん、どおおおん、と不思議な豪音が響いてくるからだ。
雲の上はこんなに晴れているけど、下で雷でも鳴っているんだろうか、と、ちょっと心配だったわけ。
お兄さんは気さくな人で、あれは近くの基地で大砲を打っている音だと教えてくれた。
他にも、大阪からこの夏だけのバイトで来てることや、ロッキー山脈に1週間滞在したことや、トレッキングして川とか滝に出会うと最高だよねって話をしたり、山はいいねぇ談議をして、楽しかった。
自分の歩く速さがどんなもんかわからないので相談してみたら、
ここまでのペースだと、がんばったら日帰りでも降りて来られるんじゃない?と言ってくれたけど、
これ以上急ぐ必要がないなら安心したので、ゆっくり登ることにした。
お兄さんと別れて、目ざすは元祖7合目。
このあたりから、だんだんと道が険しくなってくる。ごつごつした岩が露出し始めて、アップダウンが激しい。
このコースだと下山してくる人と常にすれ違うので、険しい道では譲り合う必要がある。
…ふと、道を譲った人を凝視した。
サンタクロースの格好をしているじゃないか。
メガネをかけて、白塗りのメイクまでうっすらしている。柔和な顔の、若いお兄さんが
「あ。どうも」と言いながらナチュラルに通り過ぎてゆく。
しばらくぽかん、としてしまって、通り過ぎてからカメラを出したので、後姿w
よく見ると、よくわからないが、苺の苗木を持っていたり、
様々な意気込みで登山しているひとがいるんだろうな、
とうかがわせる人たちも居た。
部活の合宿みたいなのや、外国人のツアーみたいなのや、
カップルだったり、家族連れだったり、単独だったり、色々だけど。
金曜日だったから、相場がわからないけど、ピークを越えた時期にしちゃ
まあまあの人の数だったんじゃなかろうか。
けっこうな距離を感じた元祖7合目までの道のり。だんだん空気も薄れてきたし、気温も下がってきた気がする。
ちょうど12時過ぎだったので、ここらでおひるごはんを取ることにした。
お湯を入れてもらって、持参したカップヌードルを食べた。(ちなみにお湯は200円だった)
顔が怖くてぶっきらぼうだけど、優しいおじさんが、ベンチ、そこあいてるから座りな!と、他の家族連れとかで休んでる人たちに遠慮してたおらを座らせてくれた。シビレル。カコイイ。
山で食べると最高だ、と聞いていたけど。ほんとに美味かった。あの優越感と幸福感、半端ない。
食事時間含め、15分くらい休憩しただろうか。
いざ移動、と思ったら、なんだかちょっと疲れを感じた。
空気がだいぶ薄くなってきているのもあってか、運動を急にやめたからか、あまり長時間休むと体がだるい。
加えて、このへんから道が、道というより岩場になってくる。
ストック2本だとかえって邪魔になるので、一本しまった。
場所によって、持つ手を変えたり、
手袋をした手でよじのぼったり、ロープを使ったりする場面が増えてくる。
酸素の消費も増えるのか、だるいなぁと感じることも増えてくる。
ちょっと立ち止まって、何度か深呼吸をして、酸素が回ったら、とたんに体が軽く動くので
一気にガッ!と登る、そしてまただるくなったら深呼吸をして、
みたいな登り方で、急なところは乗り越えてゆくことにした。
8合目。
ベンチにぐったりと座り込むようになって一休み。
1合違うと、だいぶ視界も気温も変わってきた。
このあたりから、長袖の上着を出した。
だいぶ登ってきた。
宝永山も下のほうに見える。
途中にある、このサボテンみたいなのは、近づいてみると、
木の割れ目にお賽銭が差し込んであるのだった。
なんだろう、折れちゃった鳥居か何かなんだろうか。
富士山には、神様がおる。ので、頂上には神社がある。
参道になっているので、鳥居がちょくちょく立っている。
9合目の山小屋の裏にある鳥居。
9合目には、年中溶けないで残っている、万年雪というのがある。
9合目の山小屋ではそれを利用することができるので、富士山では貴重な水が比較的豊富なのだそうだ。
年配の白いおひげのおじいさんが、息をきらして歩いている。
隣をゆっくり追い越すとき声をかけた。
おじいさんは9合目で宿泊してゆくのだという。
やっぱり夜の間に小屋を出て、それからご来光を見るのかな?
あともう少しですね、がんばって~と、お別れ。
さて、自分はどうしよう。
ここまできたらあともう一息だ、と気持ちがはやるのだが、さすがに一連の疲れが、足を遅らせる。いっそここで宿泊するか?
と、思ったのだけど。
ソイジョイかじって、エネルゲン飲んで、大塚製薬様ぱうわーの恩恵を受けながら、頂上を目指す。
6ー7合目の途中あたりで、とあるおじさんと、やあ、どこからきたんだい、一人?日帰りー?
がんばってね~みたいな話をしていたのだけれど、
ここらへんでおじさんと再会した。
おじさんも疲れたようすで道の脇で一休みしていた。
やっぱり、連れが居るとペース合わせるからゆっくりになるけど、一人だと無理して行っちゃうからしんどいな~、と。
わかるわかる~。
もう、景色も飛行機から見てる世界みたいになってくる。
(実際どっちが高いのかは知らないけど。)
くらくらするほど、キレイな空と岩肌の世界。
高所がダメな人はもう振りかえれないと思うよ。
最後の山小屋。ここでふと、携帯酸素を使ってみることにした。
…想像はしてたけど、おいしい空気とは言い難い(´・ω・`)
でも、吸うと気持ち、楽になる気がする。
火山灰でまっしろになってる靴の紐を結び直して、
お水もほとんどすっからかん。
最後の鳥居をくぐると、
山頂到着。
長かった…。へたりこんで休んでいると、さっき追い越してきたおじさんとまた会った。
やあ、お疲れ様!とひとしきり話をして、これから頂上の頂上におじさんは行くのだという。
富士山の山頂での中でも、さらに、一番高いところが、剣ケ峰。
富士宮コースの山頂から、もっとも近い位置にある。
余禄があればお鉢めぐりをしようかと思ったけど、さすがにしんどかったのでやめておいた。
剣ケ峰にはおらも行きたいと思っていたので、行くことに。
その前に、山頂の神社を少し覗いてゆく。
ご神体が奥の方にあったのだろうが、拝むところというよりは、なんだかお守り売り場みたいな雰囲気だった。
時間があまりなかったので、お守りを買って、去る。
山頂の郵便局は、もう時期が過ぎていたので(営業時間も過ぎていたので)誰もいなかった。
開いてたら手紙を出してみたかったなぁ。
郵便局の脇のほうに道がつづいていて、
そこを抜けてゆくと、富士山の火口に出た。
柵もなんにもない、むき出しの火口。
でっかさに感動して、思わず駆け寄って覗き込みに行く。
剣ヶ峰に向かってゆくおじさんが、笑いながら、落ちるなよ~!と言いながら先に行く。
たぶん切り取ってると大きさが伝わらない。
火口の底がどうなってるのか見たくて必死で見たけど、普通に埋まってた。底なしでもないし、蟻地獄でも、マグマでもなかった。(そりゃそうだ)
ここにきて、じっとしている時間が長くなったせいか猛烈に寒さを感じてきた。
ので、持ってた防寒具をあわてて着こむ。
いざ、頂上。
きゅんと急角度に伸びた山が続いていて、その先に何か建物がある。
ここが、剣ヶ峰。そして、馬の背という、急な登り坂。
最後の最後に、なんだこれめちゃくちゃキツイ。
ストックを2本持って、刺して登ろうかと思ったけど、もう、細かい軽石みたいな砂礫の地面に足を置いた時点で
ざらざらと滑ってしまって、ぜんぜん登れない。
上から下りてくる人も、降りてるというより、滑っているので、危ない。
落下防止の背の高い柵を頼りに、しがみついてゆっくりと登る。
なんて景色だろう。
ようやく登りきったらそこには、観測所が建っていた。
お約束の石碑とか
ここから見る景色が、やっぱり一番キレイだった。
山頂でしばらく景色を味わってから、
時刻はおおよそ、夕方の5時。
7時までに下山しないと日帰りはできない。
9合まで降りて、山小屋で宿泊することにした。
山荘に電話して、宿泊可能か確認、快い返事をもらったので、あとは下るのみ。
頂上で会ったおじさんは、京都から車で来てるらしく、このまま下って、ひとまず車泊するらしい。
同じくらいのペースで登ってる道連れがいて、道中心強かったよ。ありがとう、おじさん。
下り始めたころ、だんだんと日が暮れてきて、影富士が見えた。
下りは、登りの歩の小ささから比べると、格段に大股でざっくざっく降りることができた。
息も登りの時のように苦しくならない。
順調に下って、夕方6時をすぎたころ、9合目の山小屋へついた。
宿泊の手続きを済ませる。
ここの山小屋の人はみんな、なんか、わざと?ってくらい無愛想な雰囲気のお兄さんとお姉さんだった。山小屋は本来そういうところらしいので、いいんだけど。
でも、慣れてきたらかわいらしい一面が見えて、ほっとした。お茶、コップにたっぷり注いでくれたり。優しい。
朝と、晩のごはん付にしたので、食事の時間は7時まで。消灯8時。
だもので、さっそく夕食のカレーを頂く。
これってレトルトなんだろうけどなー。しっかし、染みいる美味さ。
消灯時間になったので、とりあえず部屋へ。
本来なら4人で使う部屋を、空きがあったので一人で使っちゃうことができた。ラッキー。
久しく横になっていなかったので、荷物をおろして、ごろん、と一休み。
……
一時間くらいたった頃だろうか。
あったま痛い。なんかひどい吐き気が…。
おまけにものすごく気温が下がってる気が…寒い!。震える。
風邪みたいな症状だけど、これが高山病かい、これはちょっとまずい。
もう消灯時間だし、みんな部屋に入って寝てる。
今から下山もできないんだから、耐えるっきゃない…ということで、
持ってた頭痛薬を飲んで、酸素を吸って、一人部屋なのをいいことに小屋の窓を開けて外の空気を取り入れ、
寒いのでカイロを貼って布団に丸まって休んだ。
小一時間くらい意識が遠のいて、目が覚めたら今度はスッキリしていた。ばんじゃい。克服した!
明日の予定を確認しておこうと携帯電話を取り出したら、着信。
現地に到着したリスクメンバーから、げきれーのお言葉を各人頂く。うれしい。
深夜2時くらいから、ご来光を目指してのぼってゆく人がたくさん表を歩いてゆく。
どうしてもにぎやかになるので、窓を開けてるのもあってなかなかぐっすり寝ることができない。
3時半ごろ、あわただしい気配につられて、起きて行って、朝ごはんを食べておくことにした。
おらも山頂を目指すべきか迷った。
でも、正直そこまでご来光にこだわるわけでもない。
山小屋の人に、ここからでも日の出は見える、と教えてもらったので、
もう少しゆっくりしてゆくことにした。
それから少し寝ていて、ふっと目が覚めたら、5じごろ。
うあー外が明るくなってる!
あわてて表に飛びだしたら、山頂を目指さなかった小屋泊の人たちが表で日の出を待っていた。
なんとか間に合った。
日の出は、待っている間、とても寒い。
みんな小屋を出たり入ったりしながら瞬間を待つ。
小屋の表からでは山肌があって、太陽の出どころがいまいちよく見えないのだけど、たぶん、この瞬間が一番、キレイに輝いたと思う。
もっと寒い思いをして待ってるはずの山頂ではきっと歓声があがっただろう。
しばらくして、9合目でも太陽が顔を出した。
世界が赤く染まって、人の顔もきれいな色に染まって。笑顔だった。
屋根の上まで登ってる人がいて、おいおいwと思ったけど、なんか、おまつりみたいな平和な気分だった。
バスまでの時間を逆算して、6時半ごろ、小屋を出た。
それからはほぼ休まず、下り続けた。
翌日が土曜日だったのもあって、登ってくる人がすごく増えた。
ツアー客みたいなのが特に多くて、団体でずらあーーっと登ってくるので、
すれ違えない場所ではひたすら待たなければならない場面もあった。
2時間半あれば下りられる道なんだと思うけど、予想より時間を食ってしまった。
行く時は背を向けてた樹海とか、駿河湾が下りではよく見えた。
行きと違って、だんだん酸欠になる苦しさがほとんどなく、
体がすごく楽だった。
でも、登りと違って、転倒の危険度が高い。それがちょっと怖い。
あと、落差のあるところを下るとき、注意しないと膝に負荷がかかる。
一回、ぐきっときてからちょっと降りるの慎重になった。
バスの時間とにらめっこしながらも、惜しむように景色を楽しんだ。
六合目の山小屋を横切るときに、なんともぜいたくなラムネの売り方をしていたので、思わず激写。
ドライアイスも水も、貴重なのに惜しげもなく。すげーなー。でも面白い。
最高のお天気でもって、富士山に登る事ができた。
お空さま、ありがとう。
また来られてよかった、ありがとう、富士山。
応援してくれたすべての人にスペシャルサンクス。
いまだ感動の余韻に浸るのでした。
いや、長くなったな。
とりあえず、富士山まとめおわり。
このあとリスクオフ参入編へ、続く予感がします。(ざわざわ)
わはは。
8月23日
仕事が終わってから、そのままリュックを背負って原付でバス停へ急ぐ。
コンビニで夕飯を買って、乗り場で食べたら、徳島→大阪まで移動。約2時間半。
大阪駅から、東梅田まで徒歩。フジヤマライナーに乗り込む。
富士宮コースのふもと、富士宮駅まで直行。約9時間。
3列でリクライニングだけど、かなり窮屈な車内。
途中一度だけSAで休憩、後はひたすら眠るのみ。あまり眠れない。ウトウトしながら過ごす。
8月24日
朝7時半ごろ、富士宮駅着。
富士宮口(五合目)まで、始発の登山バスに乗る。約50分。
富士山が
窓から見えて、テンションが上がってくる。
しかし、
山道をのぼってゆくと、途中から、路駐の車がずらっと並びはじめる。
駐車場がいっぱいで、置ききれなかった登山客のもの。なるべく歩かなくてすむように、頂上から順にびっしりと置かれてるんだろうけど、かなりの台数だった。
これがバスが対向車とすれ違う時、ものすごく邪魔で、危ないわ、なかなか上まで登れないわで乗客もイライラ。これは迷惑だなーと思ったので、どうしてもって人以外はマイカーで行かないほうがいいんじゃないかな、と思った。
9時半ごろ、五合目着。
まず、登山に不要な荷物を預けに行って、トイレで着替えて装備を整えて、登山開始したのが10時頃。
前回宝永山まで登ったのと同じ、富士宮コースの5合目から出発。
前は9月に入っていた頃だったと思うので、5合目についた時点で
かなり肌寒さを感じたけど、
この日は気温も高く、天気も良かったので、長袖は必要ないくらいだった。
雲がちょうど目の前くらいの高さ。
ときどき風で流れてきて、視界を真っ白にしたりする。
このあたりはまだ背の低い高山植物が生えている。木のような背の高いものはない。
そのせいか、ミツバチがたくさん居る。
そして、花の色に似ているのだろうか、おらのカバンにやたらと寄ってきて、ちょっと怖いw
空気が澄んでるからか、あらゆる色がすごくキレイに見えた。
軽石のまざった土の坂道を順調に登ってゆくと、わりと近くに、最初の山小屋が見えてくる。
6合目。雲海荘。
素朴でなつかしいかんじ。
この時点で背中にじわっと汗をかいて、喉が渇いていたので
ベンチで休憩しながら、山小屋観察。
500ミリのペットボトルを2本用意して行ったけど、ぜんぜん足りない気がしたので、ここで買い足した。
6合目では自販機で1本300円で買えた。(上で買うほど値段も上がる。)
金剛杖という、木の杖が売っている。
ここで買って行って、各山小屋で焼印をして、登山の記念にする人が多い。
実際に持ってる人もたくさんいたけど、おらはストックを持参して行ったので、買わなかった。
一休みして次の小屋を目指す。
富士宮コースの7合目には二つ山小屋がある。手前にあるのが、新7合目。
比較的新しい。
とりあえず、いい区切りになるので、山小屋ごとに休憩を入れる。
入口のところに山荘のはっぴを着て立っているお兄さんが、暇そうにしてたので、話しかけてみた。
と、いうのも、なんだか下界のほうから、時折、
どおおん、どおおおん、と不思議な豪音が響いてくるからだ。
雲の上はこんなに晴れているけど、下で雷でも鳴っているんだろうか、と、ちょっと心配だったわけ。
お兄さんは気さくな人で、あれは近くの基地で大砲を打っている音だと教えてくれた。
他にも、大阪からこの夏だけのバイトで来てることや、ロッキー山脈に1週間滞在したことや、トレッキングして川とか滝に出会うと最高だよねって話をしたり、山はいいねぇ談議をして、楽しかった。
自分の歩く速さがどんなもんかわからないので相談してみたら、
ここまでのペースだと、がんばったら日帰りでも降りて来られるんじゃない?と言ってくれたけど、
これ以上急ぐ必要がないなら安心したので、ゆっくり登ることにした。
お兄さんと別れて、目ざすは元祖7合目。
このあたりから、だんだんと道が険しくなってくる。ごつごつした岩が露出し始めて、アップダウンが激しい。
このコースだと下山してくる人と常にすれ違うので、険しい道では譲り合う必要がある。
…ふと、道を譲った人を凝視した。
サンタクロースの格好をしているじゃないか。
メガネをかけて、白塗りのメイクまでうっすらしている。柔和な顔の、若いお兄さんが
「あ。どうも」と言いながらナチュラルに通り過ぎてゆく。
しばらくぽかん、としてしまって、通り過ぎてからカメラを出したので、後姿w
よく見ると、よくわからないが、苺の苗木を持っていたり、
様々な意気込みで登山しているひとがいるんだろうな、
とうかがわせる人たちも居た。
部活の合宿みたいなのや、外国人のツアーみたいなのや、
カップルだったり、家族連れだったり、単独だったり、色々だけど。
金曜日だったから、相場がわからないけど、ピークを越えた時期にしちゃ
まあまあの人の数だったんじゃなかろうか。
けっこうな距離を感じた元祖7合目までの道のり。だんだん空気も薄れてきたし、気温も下がってきた気がする。
ちょうど12時過ぎだったので、ここらでおひるごはんを取ることにした。
お湯を入れてもらって、持参したカップヌードルを食べた。(ちなみにお湯は200円だった)
顔が怖くてぶっきらぼうだけど、優しいおじさんが、ベンチ、そこあいてるから座りな!と、他の家族連れとかで休んでる人たちに遠慮してたおらを座らせてくれた。シビレル。カコイイ。
山で食べると最高だ、と聞いていたけど。ほんとに美味かった。あの優越感と幸福感、半端ない。
食事時間含め、15分くらい休憩しただろうか。
いざ移動、と思ったら、なんだかちょっと疲れを感じた。
空気がだいぶ薄くなってきているのもあってか、運動を急にやめたからか、あまり長時間休むと体がだるい。
加えて、このへんから道が、道というより岩場になってくる。
ストック2本だとかえって邪魔になるので、一本しまった。
場所によって、持つ手を変えたり、
手袋をした手でよじのぼったり、ロープを使ったりする場面が増えてくる。
酸素の消費も増えるのか、だるいなぁと感じることも増えてくる。
ちょっと立ち止まって、何度か深呼吸をして、酸素が回ったら、とたんに体が軽く動くので
一気にガッ!と登る、そしてまただるくなったら深呼吸をして、
みたいな登り方で、急なところは乗り越えてゆくことにした。
8合目。
ベンチにぐったりと座り込むようになって一休み。
1合違うと、だいぶ視界も気温も変わってきた。
このあたりから、長袖の上着を出した。
だいぶ登ってきた。
宝永山も下のほうに見える。
途中にある、このサボテンみたいなのは、近づいてみると、
木の割れ目にお賽銭が差し込んであるのだった。
なんだろう、折れちゃった鳥居か何かなんだろうか。
富士山には、神様がおる。ので、頂上には神社がある。
参道になっているので、鳥居がちょくちょく立っている。
9合目の山小屋の裏にある鳥居。
9合目には、年中溶けないで残っている、万年雪というのがある。
9合目の山小屋ではそれを利用することができるので、富士山では貴重な水が比較的豊富なのだそうだ。
年配の白いおひげのおじいさんが、息をきらして歩いている。
隣をゆっくり追い越すとき声をかけた。
おじいさんは9合目で宿泊してゆくのだという。
やっぱり夜の間に小屋を出て、それからご来光を見るのかな?
あともう少しですね、がんばって~と、お別れ。
さて、自分はどうしよう。
ここまできたらあともう一息だ、と気持ちがはやるのだが、さすがに一連の疲れが、足を遅らせる。いっそここで宿泊するか?
と、思ったのだけど。
ソイジョイかじって、エネルゲン飲んで、大塚製薬様ぱうわーの恩恵を受けながら、頂上を目指す。
6ー7合目の途中あたりで、とあるおじさんと、やあ、どこからきたんだい、一人?日帰りー?
がんばってね~みたいな話をしていたのだけれど、
ここらへんでおじさんと再会した。
おじさんも疲れたようすで道の脇で一休みしていた。
やっぱり、連れが居るとペース合わせるからゆっくりになるけど、一人だと無理して行っちゃうからしんどいな~、と。
わかるわかる~。
もう、景色も飛行機から見てる世界みたいになってくる。
(実際どっちが高いのかは知らないけど。)
くらくらするほど、キレイな空と岩肌の世界。
高所がダメな人はもう振りかえれないと思うよ。
最後の山小屋。ここでふと、携帯酸素を使ってみることにした。
…想像はしてたけど、おいしい空気とは言い難い(´・ω・`)
でも、吸うと気持ち、楽になる気がする。
火山灰でまっしろになってる靴の紐を結び直して、
お水もほとんどすっからかん。
最後の鳥居をくぐると、
山頂到着。
長かった…。へたりこんで休んでいると、さっき追い越してきたおじさんとまた会った。
やあ、お疲れ様!とひとしきり話をして、これから頂上の頂上におじさんは行くのだという。
富士山の山頂での中でも、さらに、一番高いところが、剣ケ峰。
富士宮コースの山頂から、もっとも近い位置にある。
余禄があればお鉢めぐりをしようかと思ったけど、さすがにしんどかったのでやめておいた。
剣ケ峰にはおらも行きたいと思っていたので、行くことに。
その前に、山頂の神社を少し覗いてゆく。
ご神体が奥の方にあったのだろうが、拝むところというよりは、なんだかお守り売り場みたいな雰囲気だった。
時間があまりなかったので、お守りを買って、去る。
山頂の郵便局は、もう時期が過ぎていたので(営業時間も過ぎていたので)誰もいなかった。
開いてたら手紙を出してみたかったなぁ。
そこを抜けてゆくと、富士山の火口に出た。
柵もなんにもない、むき出しの火口。
でっかさに感動して、思わず駆け寄って覗き込みに行く。
剣ヶ峰に向かってゆくおじさんが、笑いながら、落ちるなよ~!と言いながら先に行く。
たぶん切り取ってると大きさが伝わらない。
火口の底がどうなってるのか見たくて必死で見たけど、普通に埋まってた。底なしでもないし、蟻地獄でも、マグマでもなかった。(そりゃそうだ)
ここにきて、じっとしている時間が長くなったせいか猛烈に寒さを感じてきた。
ので、持ってた防寒具をあわてて着こむ。
いざ、頂上。
きゅんと急角度に伸びた山が続いていて、その先に何か建物がある。
ここが、剣ヶ峰。そして、馬の背という、急な登り坂。
最後の最後に、なんだこれめちゃくちゃキツイ。
ストックを2本持って、刺して登ろうかと思ったけど、もう、細かい軽石みたいな砂礫の地面に足を置いた時点で
ざらざらと滑ってしまって、ぜんぜん登れない。
上から下りてくる人も、降りてるというより、滑っているので、危ない。
落下防止の背の高い柵を頼りに、しがみついてゆっくりと登る。
なんて景色だろう。
ようやく登りきったらそこには、観測所が建っていた。
お約束の石碑とか
ここから見る景色が、やっぱり一番キレイだった。
山頂でしばらく景色を味わってから、
時刻はおおよそ、夕方の5時。
7時までに下山しないと日帰りはできない。
9合まで降りて、山小屋で宿泊することにした。
山荘に電話して、宿泊可能か確認、快い返事をもらったので、あとは下るのみ。
頂上で会ったおじさんは、京都から車で来てるらしく、このまま下って、ひとまず車泊するらしい。
同じくらいのペースで登ってる道連れがいて、道中心強かったよ。ありがとう、おじさん。
下り始めたころ、だんだんと日が暮れてきて、影富士が見えた。
下りは、登りの歩の小ささから比べると、格段に大股でざっくざっく降りることができた。
息も登りの時のように苦しくならない。
順調に下って、夕方6時をすぎたころ、9合目の山小屋へついた。
宿泊の手続きを済ませる。
ここの山小屋の人はみんな、なんか、わざと?ってくらい無愛想な雰囲気のお兄さんとお姉さんだった。山小屋は本来そういうところらしいので、いいんだけど。
でも、慣れてきたらかわいらしい一面が見えて、ほっとした。お茶、コップにたっぷり注いでくれたり。優しい。
朝と、晩のごはん付にしたので、食事の時間は7時まで。消灯8時。
だもので、さっそく夕食のカレーを頂く。
これってレトルトなんだろうけどなー。しっかし、染みいる美味さ。
消灯時間になったので、とりあえず部屋へ。
本来なら4人で使う部屋を、空きがあったので一人で使っちゃうことができた。ラッキー。
久しく横になっていなかったので、荷物をおろして、ごろん、と一休み。
……
一時間くらいたった頃だろうか。
あったま痛い。なんかひどい吐き気が…。
おまけにものすごく気温が下がってる気が…寒い!。震える。
風邪みたいな症状だけど、これが高山病かい、これはちょっとまずい。
もう消灯時間だし、みんな部屋に入って寝てる。
今から下山もできないんだから、耐えるっきゃない…ということで、
持ってた頭痛薬を飲んで、酸素を吸って、一人部屋なのをいいことに小屋の窓を開けて外の空気を取り入れ、
寒いのでカイロを貼って布団に丸まって休んだ。
小一時間くらい意識が遠のいて、目が覚めたら今度はスッキリしていた。ばんじゃい。克服した!
明日の予定を確認しておこうと携帯電話を取り出したら、着信。
現地に到着したリスクメンバーから、げきれーのお言葉を各人頂く。うれしい。
深夜2時くらいから、ご来光を目指してのぼってゆく人がたくさん表を歩いてゆく。
どうしてもにぎやかになるので、窓を開けてるのもあってなかなかぐっすり寝ることができない。
3時半ごろ、あわただしい気配につられて、起きて行って、朝ごはんを食べておくことにした。
おらも山頂を目指すべきか迷った。
でも、正直そこまでご来光にこだわるわけでもない。
山小屋の人に、ここからでも日の出は見える、と教えてもらったので、
もう少しゆっくりしてゆくことにした。
それから少し寝ていて、ふっと目が覚めたら、5じごろ。
うあー外が明るくなってる!
あわてて表に飛びだしたら、山頂を目指さなかった小屋泊の人たちが表で日の出を待っていた。
なんとか間に合った。
日の出は、待っている間、とても寒い。
みんな小屋を出たり入ったりしながら瞬間を待つ。
小屋の表からでは山肌があって、太陽の出どころがいまいちよく見えないのだけど、たぶん、この瞬間が一番、キレイに輝いたと思う。
もっと寒い思いをして待ってるはずの山頂ではきっと歓声があがっただろう。
しばらくして、9合目でも太陽が顔を出した。
世界が赤く染まって、人の顔もきれいな色に染まって。笑顔だった。
屋根の上まで登ってる人がいて、おいおいwと思ったけど、なんか、おまつりみたいな平和な気分だった。
バスまでの時間を逆算して、6時半ごろ、小屋を出た。
それからはほぼ休まず、下り続けた。
翌日が土曜日だったのもあって、登ってくる人がすごく増えた。
ツアー客みたいなのが特に多くて、団体でずらあーーっと登ってくるので、
すれ違えない場所ではひたすら待たなければならない場面もあった。
2時間半あれば下りられる道なんだと思うけど、予想より時間を食ってしまった。
行く時は背を向けてた樹海とか、駿河湾が下りではよく見えた。
行きと違って、だんだん酸欠になる苦しさがほとんどなく、
体がすごく楽だった。
でも、登りと違って、転倒の危険度が高い。それがちょっと怖い。
あと、落差のあるところを下るとき、注意しないと膝に負荷がかかる。
一回、ぐきっときてからちょっと降りるの慎重になった。
バスの時間とにらめっこしながらも、惜しむように景色を楽しんだ。
六合目の山小屋を横切るときに、なんともぜいたくなラムネの売り方をしていたので、思わず激写。
ドライアイスも水も、貴重なのに惜しげもなく。すげーなー。でも面白い。
最高のお天気でもって、富士山に登る事ができた。
お空さま、ありがとう。
また来られてよかった、ありがとう、富士山。
応援してくれたすべての人にスペシャルサンクス。
いまだ感動の余韻に浸るのでした。
いや、長くなったな。
とりあえず、富士山まとめおわり。
このあとリスクオフ参入編へ、続く予感がします。(ざわざわ)
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